精進料理から学ぶ日本文化
2016.09.12
するどい質問
講義の最後は質疑応答。留学生の方からは積極的に質問が飛んでいました。「仏教と神道の違いは?」「味も形も肉や魚に似せたものを食べるのは肉食禁止の教義に反しないのでしょうか?」「精進料理は一般の人も食べるのですか?どんな状況で食べられるのですか?」など深い質問が投げかけられ、学生全体の理解が一段と深まっていくのを感じました。
いざ、実食!
今回の講義ではお話に加えて実際に精進料理を食べることもできます!教室に精進料理のお弁当が用意され、全員でいただきます。調理を担当された料理人の方から各品の調理法についての説明を受け、さらに理解が深まります。
料理人の方曰く、精進料理の材料は出汁も全て植物性。刺激の強い食品は煩悩や邪心の元になるという禅の考え方があるため、野菜の中でもネギや玉ねぎなど刺激が強いものは使わないなど、厳しい決まりがあるそうです。また、精進料理の本質は命を大切にすること。材料はもちろん、食べ方もその本質にもとづいており、出された食べ物を残さず食べることも作法の一部。肉や魚だけでなく、植物にも命があるので、いただいた命に感謝して食べることが精進料理の精神だと教えていただきました。
参加した学生の感想
Q:日本料理に興味はありましたか?
A: はい。日本の料理はインドネシアでもとても人気があるので。一番人気は寿司とラーメンですね。私はラーメンが好きです。
Q:こちらの精進料理や日本で日本料理を食べてみた感想は?
A:日本料理はインドネシア料理とすごく違います。インドネシア料理にはスパイスなどの調味料が必要ですが日本料理の味付けや調理法はもっとシンプルですね。インドネシアはスパイシーな料理が多くてラーメンも辛いんです。でも、この精進料理の中でインドネシアと同じようなものを見つけました。このほうれん草の胡麻和えです。インドネシアの味と本当に似ていてびっくりしました。面白いですね。
講師からのメッセージ
この授業では歴史の流れの中での和食の変化について重点的に話していきます。実は、こういった授業は珍しいのではないかと密かに自負しています(笑)
料理も一つの文化です。文化である限り、その国の他の文化の特性を考慮しながら、なぜ京料理のような世界に誇るものができたのだろうと考えないと、今後、京料理が発展していくための手助けにならないと思います。「なぜ」このような料理が生まれたのかを考えることによって、和食が今後どのように発展したらいいのかということに思いが至るわけです。だから、その国の文化の一部として、食事も考えていきたい、それが私の授業で一番大事にしている部分です。
そして、日本文化を学ぶなら、京都は最適な場所です。少なくとも中世以前では京都で広がっていったものが全国に広がっていくんですよ。京都で認められたものが料理だけでなく、服装や思想もそうですが、全国で認められていくんですね。また、京都ならではの特徴として、実際に料亭に行ってフルコースの懐石を食べたり、錦市場の有次さんで包丁について学んだり、器について学ぶといった体験も組み込んだプログラムになっています。
ぜひ、料理を入り口として日本文化を深く学んでみてください。
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