留学先を選ぶのに、まずたくさんの国とそれぞれの生活スタイルについて調べて、最終的に、２つの大学で学位が取得できるプログラムを選び、京都に来ました。環境問題について学ぶには、日本のような良い環境管理システムがある国を実際に見て経験する必要があると考えたからです。

京都大学を卒業し、2021年10月から博士課程に進む予定です。環境工学と環境管理について研究しています。

京都という町に対して、あまり特定のイメージというのはなかったですね。一般的な日本のイメージぐらいでした。

京都は小さくてにぎやかで、同時に心が落ち着くような町だと思います。にぎやかな都市の側面もあるのですが、場所によっては村のような和気あいあいとした地域もあります。

京都はいつまでも、そんな京都のままでいてほしいですね。私の孫が京都に留学に来る時に、私が感じた印象のままの京都であればいいなと思います。

私はイスラム教徒なので、日本では親切に接してもらえないのでは、とか、ハラルフードやお祈りの場所など、探すのに苦労するのでは、など、挙げればきりがないほどの心配のタネがあって、最初は本当に不安でした。

また、日本という国はルールにとても厳しいイメージがありました。自分の行動にすごく気をつけないといけないと、監視カメラなどがそこら中にあって、見られているんじゃないか、なんて思っていたことも。笑い話ですけどね。

京都に来て、この町や人、食べ物、自然、気候、忙しさと心地よさをあわせ持った生活環境を経験し、京都という町が大好きになりました。なぜかわかりませんが、ここにあるすべてのものが、私を幸せな気持ちにしてくれるんです。厳しいと思っていた日本のルールは、実際にはそれほど大変なものではなく、私でも守れるルールでしたし、そのルールがあるからこそ、町の中にいて安全だと感じることができていると思います。本当に、そんなに大変なルールじゃないので、この国にいるのなら、みんなで尊重しましょうという気持ちです。

京都という町には、来た人を「中毒」にさせるような何かがあると思います。この町を訪れたら最後、恋に落ちて、また何度も戻ってきたい気持ちになります。まさに、私がそうなりました。

付け加えると、イスラム教徒として、この京都の町がイスラム教徒にやさしい町だということが、本当にうれしいです。町の人が私に失礼な態度をとることはありませんし、反対に、イスラム教のことや、それ以外のことも、色々と気を使ってくれます。ハラルフードのお店に関しては、まだまだ多くはありませんが、自分で作ることができるので問題ありません。それに、日本人にはベジタリアンも多く、ベジタリアンメニューもとてもおいしいです。

海外留学は、思うほど難しくはないですが、簡単なことでもありません。

日本の学校では様々なシステムがしっかりと作られているので、ここで勉強するということに関しては、それほど苦労は感じません。自分の授業や研究をしっかりやることはもちろん大変ですが。

京都の自然環境ですね。Netflixで人気の映画を見るより、川の流れを見ている方が楽しいと感じるなんて、どうなってるんだって、感じですよね！川では水鳥がヒナにエサをあげていたり、魚が流れに逆らって進もうと、おもしろい泳ぎ方をしたりするんです。ずっと見ていても飽きません。京都を囲む山は、春には桜でピンク色になり、秋には紅葉で3色に変わります。

自然と人間の生活環境の調和という意味では、京都はとてもうまくいっていると思います。

もしインドネシアの学校で教える立場になったら、日本の教育システムを取り入れたいと思っています。インドネシアの子供たちにはたくさんの夢がありますが、残念ながらシステムが間違っていて、台無しになっています。そうならないようにしたいのです。

可能であれば、京都で結婚して、大変ながらも楽しい生活を送るのが夢です。自分だけで京都の美しさを楽しむのもいいのですが、自分の家族とここで時間を過ごせたら、とても貴重な経験になると思います。

日本の子供たちのように独立心のある子供を育てたり。

日本で小さい子供たちが保護者なしでバスや電車に乗るのを見て、いつもすごいなって思うんです。本当に賢いですよね。

京都に来たら、心地よすぎる気候でリラックスしすぎて、ベッドから出たくないと感じることがあるかもしれませんが、ぜひ外に出て京都という町を楽しんでくださいね。

毎日毎日勉強をする必要はありませんが、留学してきたからには学生としてやらないといけないこともお忘れなく。

私の経験としては、少しずつでも進歩・成長できていればいいと思います。その気持ちがあれば、京都での留学生活でもきっと問題ありません。