ムスリム学生にとって、京都での生活に不自由はないかなど、実際にどうか気になりますよね。
そこで、現在、京都留学中のムスリム学生2名に話を伺いました。
自分もデザイナーであったことから、日本のデザインに興味を持ち、デザインの知識を得るために、大好きな日本で大好きなデザインを学ぶために留学を決めました。現在指導していただいている先生のホームページを見つけ、そこに載っていた京都工芸繊維大学のデザイン展を見ると、学生さんが作った様々な作品やプロジェクトが展示されていて、私もその一人になりたいなと思いました。
ハラール食材は京都イスラム文化センターでムスリムコープから買っています。業務スーパーでハラールの食材を買っている友達もいます。
京都にはハラールレストランも増えています。私がアルバイトでお世話になった嵐山にある良彌「奥の庭」です。観光スポットで京都料理が楽しめるレストランです。そして京都でもインド料理やトルコ料理、マレーシア料理、エジプト料理など世界の料理もハラールで楽しめるところです。焼肉、ラーメンなどの店もあります。ビーガンのレストランも多くあり、野菜を安心で美味しく食べられます。日本には魚料理や定食で食べられるものも多くあり美味しい日本料理も食べて幸せを感じます。
学校では、院生室でマットを引き、お祈りの時間になったら自由にお祈りできる環境になっています。周りの同級生も理解してくれます。院生室が忙しい時は、学校の国際課が用意してくれたインターナショナル・ルームのお祈りスペースに移動し、ゆっくりとお祈りすることができます。買い物に行くときはマルイの5階にあるお祈り用の部屋を利用しており、とても便利です。そして、ハラールレストランの中にあるお祈りの部屋を使うこともたまにあります。
私にとっては、京都はとても過ごしやすい街です。自然に囲まれ、優しい人に囲まれ、留学生が日本人と関わる機会も多くあり、高校生や中学生から文化交流イベントや伝統工芸を学べる場所も多くあります。
まちにはモスクもあります。ラマダンの時にムスリムの人々が集まり夜のお祈りをみんなで行うときは、私たちが街を新しい色で染めます。イードなどムスリムのお祝いの日にムスリムの社会が集まり京都市国際会館などでお祈りします。学校では、ゼミの集まりなどの打ち上げの時でも、いつも私たちが食べられるものを用意できる店を探してくれます。また友達と遊びに行く時には、京都は新しいスポットがすぐできる街なので、新しいお店を探すのも楽しみの一つです。
京都はとてもいいところです。世界中に京都で留学してみたいと思っている方は多いと思います。あなたがもし、このチャンスを叶えられたとしたら、自分の国や宗教を知らない誰かに一番良いバージョンのあなたを見せてください。代表者(大使)の気分になってみてください。そして留学の経験を最高のものにするには日本語が大事です。日本語ができなくても住むことはできると思いますが、言葉の壁を越えるだけで留学中に感じることが広がるでしょう。素晴らしい経験を持てるようお祈りしています。
素直に日本の大学に行きたかったからです。また日本の中でも京都で大学生活を過ごしたかったです。以前は東京で暮らしていたのですが、ある時、父の研究の関係で京都に遊びに来る機会があり、京都はとても穏やかで学びやすい環境だと気づきました。また、今、私が通っている立命館大学に、私が志望していた国際関係部があったことも、京都への留学を決めたきっかけです。国際関係部は、日本の中でも数が少なく、学域として新しい分野です。その中で、立命館大学が、一番歴史が長いので、留学を決めました。
いろんなところで購入できます!いちばん身近なところでは業務スーパーでいろんなハラール食材が売られています。鶏肉の他に、チキンナゲットやからあげなど様々なハラール食品が売っているので安心しています。どうしても足りない場合や母国の調味料が必要な場合には、荒神口にある京都モスクに行って買い出しします。モスクではいろんなムスリム諸国の調味料や食材があるので、ほとんどのムスリムがモスクに買いに来ています。
また、ハラールレストランも主に京都の中心街や観光客が集まるところには、いっぱいあります。
京都はいろんなところに礼拝場所が設置されているため、ムスリム学生や観光客への配慮や環境が整っていると言えます。学校では礼拝場所が設置されており、とても助かりました。京都の繁華街の四条河原町に行っても、多数の礼拝場所があるので、便利です。
過ごしやすいです。礼拝するところもいっぱいあり、ハラール食材やレストランも見つけやすいです。日本の中でも京都は有数の観光地でもあり、ムスリムの観光客が増えているので、私たちムスリム学生もいい影響を受けており、すごく過ごしやすい環境になりました。
将来京都に留学を希望しているムスリム学生のみなさん、最近は京都でムスリム対応がすすんでおり、ハラールフードや礼拝できるところが増えてきています。あと皆さん優しいので、困ったことがあればみんな助け合って生活していますし、意見も聞いてくれます。それがあって今の京都のムスリム対応ができたのです。
留学のほとんどの時間を過ごす学校。食事や環境などなるべく不自由ないように過ごしたいですよね。
京都の一部学校の学食ではハラル料理が提供されるなどムスリムにやさしい学校が増えてきており、
個別にムスリム対応を検討してくれる学校がたくさんあります。
ここでは、ムスリムフレンドリーな学校を一部紹介します。
京都大学
ムスリム学生数 : 約200〜300人
礼拝スペース : 1ヶ所(その他留学生の多い部で数箇所設置)
国際教育交流課で設置しているのは1か所ですが、留学生の多い部局単位で校内数か所設置しています。
ハラルフードの提供 : あり(5ヶ所)
京都大学生協の運営するカフェテリアルネにはケバブコーナーがあり、京都ハラール評議会よりハラール認証を受けています。その他、吉田、宇治、桂の各キャンパスの食堂やカフェでハラール食材を使用したメニューやベジタリアンメニューを提供しています。(2018年11月1日時点の情報です。食材調達の都合等から変更される場合があります。)
京都工芸繊維大学
本学では、大学生協でハラル認証を受けたレトルトカレーなどハラルフードを提供しております。また、学内に礼拝スペースを設けており、平日9時~17時まで自由にご利用していただけます。
ムスリム学生数 : 26人(2018年時点)
礼拝スペース : あり(1ヶ所)
ハラルフードの提供 : あり(1ヶ所)
生徒の声 :
アッスガイル アシール
大学院工芸科学研究科(博士前期課程2回生)
デザイン学専攻
サウジアラビア出身
大学ではお祈りの部屋が9時から17時まで空いており、研究室よりお祈りに集中できる場所なのでとてもありがたいです。食堂では魚料理がいつも提供されているので食べるものはあります。生協にも電子レンジで温めて食べるハラールカレーが用意されています。国際交流パーティーなどではいつもハラールの食事が用意されていて、みんなと同じようにパーティーを楽しめることができるから嬉しいです。
同志社大学
礼拝スペース : あり(2ヶ所)
イスラム教の方のみならず、宗教・宗派を問わず、本学の学生・教職員であれば誰でも自由に「祈りの場」として利用できる場を用意しています。今出川校地・京田辺校地に各1箇所、計2箇所に整備しています。
ハラルフードの提供 : あり(2ヶ所)
一部メニューとはなりますが、同志社生活協同組合様のカフェテリアにて、今出川校地・京田辺校地に各1箇所、計2箇所にて提供しています。
立命館大学
立命館大学では、イスラム教徒が多数暮らすインドネシア、バングラデシュ、アフガニスタン、サウジアラビア、トルコ、UAE等から、計130名を超える留学生を受け入れています。2018年4月には、BKCに、お清め用水場を併設した専用礼拝所を開設しました。
ムスリム学生数 : 約100人
礼拝スペース :
あり(2ヶ所)
BKC(びわこ・くさつキャンパス:滋賀県草津市)、OIC(大阪茨木キャンパス:大阪府茨木市)に設置しています。
ハラルフードの提供 :
あり(3ヶ所)
衣笠キャンパス(京都)、BKC、OICの各生協食堂にて、ムスリムフレンドリーメニューを提供しています。
京都外国語専門学校
本校にはムスリムの教員も在籍しています。困ったことがあれば、その教員に相談してもらうことが出来ます。
ムスリム学生数 : 2名(2018年時点)
礼拝スペース : あり(1ヶ所)
京進ランゲージアカデミー京都中央校
学校行事などで食事が提供されるときには、提供する食事に気を付けています。授業を抜けての金曜礼拝参加を禁止にはしていません。(早退、遅刻扱いにはなります。)
ムスリム学生数 : 15人 (2018年時点)
礼拝スペース : あり(1ヶ所)
図書室の一部で礼拝が可能です。
京都日本語教育センター京都日本語学校
当センターでは、これまでさまざまな学生を受け入れてきました。クラスの中で、ムスリムに限らず、外国人の僧(仏教徒)やキリスト教の宣教師、ヒンズー教徒なども混在することがあるので、むしろ必要以上に宗教を気にすることなく勉強に励むことができます。食習慣についても、ムスリムをはじめ、ベジタリアンやアレルギーなど特別な注意がいる人についても可能な限り配慮するようにしています。
ムスリム学生数 : 3人(2018年時点)
礼拝スペース :
あり(1ヶ所)
休み時間に教室で、またはある部屋を一定の時間帯のみ指定して使用しています。不特定多数が入室しそうなところを使用する場合は、その間、他の学生が入らないように札などを作成して使ってもらいます。
ハラルフードの提供 :
あり(2ヶ所)
パーティーなどで食べものを出す場合は、ムスリムでも食べられそうなものを用意。また、事前にリクエストをきくこともあります。
校外学習の際、工場見学等に行くこともありますが、そこでの試食・試飲などがムスリムに問題になることがないかどうか事前に確認しています。不適当な場所は、該当学生がいるクラスは、見学先に選びません。
ISIランゲージスクール京都校
学校館内に鍵付きの祈祷室があり、校内のカフェでもハラルフードの提供があるため安心して校内での勉強をすることが出来ます。
ムスリム学生数 : 4人(2018年時点)
礼拝スペース : あり(1ヶ所)
西館4階に祈祷室があります。
ハラルフードの提供 : あり(1ヶ所)
校内のカフェにて販売があります。
生徒の声 :
エサン ビン シャムスル アクマル
2年目 マレーシア出身
きれいなお祈りスペースがあります。お祈りに行きたいときは周りの人も理解してくれます。学校の食堂では肉を使用しないメニューも用意してくれます。
ヌル アウファ アクマル ビンティ シャブディン
1年目 マレーシア出身
お祈りスペースを使うことができます。ムスリムフレンドリーな肉を使わないメニューを用意してくれるカフェもあります。
京都は日本でもトップクラスの観光地。そのため学校以外のお祈り場所も複数あります。
ここでは学校以外のお祈りの場所を紹介します。