若い人の役に立ち、日本と中国の架け橋になりたい。
大平印刷株式会社
崔海源 (中国 出身)
出身学校:京都市立芸術大学 デザイン専攻
※2015年取材
崔さんの考える京都の魅力は?
京都は伝統ある町です。昔中国で失われた伝統や文化は京都できちんと残っています。
着物や織物で特に残っています。
京都はとても静かで、お寺がいっぱいあって、勉強には適しています。
もう一つ気に入っているのが、京都は東北西の三方が山に囲まれています。
風水では龍に守られている都かなと思います。そういう伝説もあったので実際に京都に来て、見てみたらそうだなと思いました。
留学時代大変だったことは?
アルバイトの着物の絵付けです。
床に座って絵を描くのが凄く慣れませんでした。ですが、1年ぐらいでやっと慣れました。
絵もうまく描くことができるようになりました。
和紙で型染して、本物の着物を作りました。工芸美術展で金賞を取りました。
みんなで凄いなと、喜びあいました。僕もすごい嬉しかったです。
なぜそのまま京都で就職をされたのですか?
同窓の留学生など、ほとんどの人が京都で芸術活動をしています。
やっぱりみんな京都が好きで芸術の創作に一番適しているところだと言っています。
大平印刷は京都で初めて三大コンピューターグラフィックのマッキントッシュを導入した会社です。
しかもアメリカから直輸入で入れていました。それをどうしても使いたかったんです。
就職して大変だったことは何ですか?
コンピューターグラフィックと言っても、いろいろな技術を勉強しないといけません。
その時代にはマニュアルはほとんどないし、メインはまだアナログでした。
そのアナログの部分のデザインが僕にとってはかなり大変でした。
専門用語も違うし、日本の会社の規則とかコミュニケーションも一から学ばないといけませんでした。
幸い、周りの人は親切でいろいろ教えてくれて、面倒を見てくれました。
それがよくて、余計にこの会社から離れたくなくなりました。
働く環境が一番大事だと思います。周りの人の親切さと、仕事の面白さがあり、あっという間に20何年もこの会社で勤めています。
京都で就職して、現在誇りに思われていることはありますか?
コンピューターグラフィックは初期から今に至るまでに凄い進歩があります。
私はその流れに勉強しながら関与しています。
その経験と知識を、中国で5年前に「デザインの進化説」という本を出版しました。
その本は評価も高かったです。
会社で培った経験や技が役に立ったかなと思います。
今後の夢はありますか?
定年したら作家になるのが私の夢です。
この20数年間、現場で働いている経験と考えを、今でもメモにしておいています。それを書きたいと思っています。
若い人の役に立てたらいいなと思います。
やはり留学生だったから、日本と中国の架け橋になりたいです。
日本と中国を行き来し、中国に帰った際には日本の情報を伝えています。
留学生の一つの役目かもしれません。
日本も中国も好きなので理解をもっと深くできたらいいなと思います。
留学生に向けてメッセージをお願いします。
留学を選ぶなら京都へいらっしゃってください。
沢山の有益なことが学べます。
そして、京都の美しい四季の景色や濃い伝統もお楽しみいただけます。