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就活体験記:ちょっと変わった就職方法

就活体験記:ちょっと変わった就職方法

王璇(オウ セン)さんは、日本での就職活動にあまり不安は感じませんでした。中国出身の王さんは、留学先の京都芸術大学大学院・情報デザイン科を2023年の春に卒業し、京都の広告会社で働き始めます。日本人学生の多くが卒業のかなり前から就職活動を始めるように、日本で就職したい留学生たちも、そのスケジュールに合わせて動く必要があります。(京都留学サイトでは留学生のための、日本での就職活動に関する記事をたくさん掲載しています!ぜひ見てみてください⇒ https://www.studykyoto.jp/ja/magazine/magazinetag/job-hunting/)

でも王さんの就職活動は、普通とは少し違ったようです。自身の経験やスキルを活かした仕事を京都で見つけた王さんに、お話を聞きました。

最初に日本に留学しようと思ったきっかけは何ですか?

「実は、絶対に日本に来たい!というような強い思いだったわけではありませんでした。ただ違う国で、別の文化の中で暮らす経験がしたかったのです。また、一人暮らしをして、自立したかったことも大きな理由です。留学の選択肢の中でも日本は特に好きな国でしたし、日本のポップカルチャーが好きだったので、ここに留学することを決めました。大学入学前に京都の関西言語学院で1年間日本語を勉強し、そのあと京都芸術大学に進学をしました。」

「日本に来てすぐはカルチャーショックも経験しましたが、今はここでの生活に慣れました。」

来日した頃から、将来日本で就職したいと思っていましたか?

「最初は、単に留学生として来ていて、ここで就職することはあまり考えていませんでしたね。でも日本で長い時間を過ごすにつれて暮らしにも慣れて、今では自分がとても日本的な考えをするようになったと感じます。そうすると、ここで働くしかないですよね(笑)」

「日本で出会った中国人の友人たちのほとんどは、1年ぐらい日本語を勉強して留学生活を体験したら、中国に戻って学校を卒業していました。私と同じころに卒業後の仕事を探していましたが、日本で就職活動をしていたのは私だけでしたね。」

どのように日本で就職活動を始めたのですか?

「大学院の1年目は、デザインのスキルを活かせる場所でインターンシップをしながら、情報収集をしていました。インターンシップには複数参加しました。このスタディ京都の留学生インターンシッププログラムにも参加して、京都のノンバーバルシアター「ギア」の事務局で劇のアイデアやグッズのデザインの企画提案をすることができました。ただ、実際に求人応募などの就職活動を始めたのは大学院2年目の7月で、その時は大学の仕事探しWebサイトや、Indeedなどの求人サイトを活用しました。」

「京都で勉強してきて、就職も京都でしたいと思ったので、デザインや広告など自分の持っているスキルが活かせる仕事を、京都の求人から探しました。大企業にはあまり興味が無かったので、中小企業だけに絞って探していました。その方が成長でき、早くキャリアアップができると思ったからです。」

 

日本では「新卒採用」と「中途採用」で就職活動のステップなどが変わるため、王さんのように一般向けの求人情報サイトの募集を新卒の就職活動に取り入れるのは、あまり一般的ではありません。新卒者向けの採用は、応募や選考のスタート時期など厳しく定められたスケジュールに沿って行われます。これについては「留学生のための日本の就活入門」をしっかり確認してください。

 

「日本の履歴書やエントリーシートの書き方は調べなくてはなりませんでしたが、必要なものは全てインターネット上で見つけられました。この部分は、決められた形に合わせて準備していくだけなので、難しくありませんでしたね。自己PR(応募者のスキルや適性を書くカバーレターのようなもの)に関しては、定型文や参考例をあまり見たくありませんでした。これは自分を表現する部分なので、自分の言葉で書くことができるからです。」

「Indeedのような一般向け求人サイトでは、ほとんどの募集が中途採用のものでしたが、私はとりあえず応募していました。実はそうやって、今回採用された仕事と出会ったのです!就職活動を始めてから、この内定をもらうまで2か月ぐらいでしたね。この会社では、「一緒に働くスタッフは未来の同僚や上司が面接をする」という理念があり、一次面接も二次面接も社長と行いました。私のスキルとキャリアゴールを聞かれましたが、大企業の面接方法とも大分違うように感じました。」

日本の就職活動と中国での仕事探しでは、どういった部分が違うと思いますか?

「中国の友人たちから聞いた話によると、中国の仕事探しはもっと厳しいようです。中国では、専門分野や働きたい会社に関わらず、応募者全員がまずロジックテストを受ける必要があります。競争率が高く、この段階で半分近い募集者たちが落とされます。ロジックテストに合格すると、広告会社なら「ポスターのデザインをする」というように、会社の業務に関係する課題を与えられます。これを合格すると、複数回ある面接に進みます。中国では会社の規模に関わらずこのプロセスが一般的です。このプロセスは、SPIテストなどを取り入れている日本の大企業の採用過程と似ていますが、日本の中小企業ではあまりあてはまらないと思います。」

日本で働くことのメリットは何だと思いますか?

「私個人としては、日本語のスキルが使える点ですね。それと、自分とは価値観の中にいられるともプラスに感じています。日本で暮らし、働くことで、今までとは違う知識を得られると思います。きっと、中国とは全然違う、日本独自のビジネスマナーなども学んでいかないとダメですからね。日本で長い間留学しているので、日本の一般的なマナーはある程度知っていますが、社会人として働くのは初めてなので、学校の外の世界での日本のマナーを学びたいと思っています。」

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