ウィズコロナ~緊急事態宣言後の京都での留学生活~
2020.10.13
2020年4月から、日本は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言を発令しました。それに伴い、多くの大学・大学院ではキャンパスへ立ち入り禁止となり、私たち留学生も非常に大きな影響を受けました。特に当時、来日一ヶ月も満たない私は、周辺環境やこれからの大学院生活の流れもまだ把握しきれていないまま、ステイホーム生活をすることになりました。
ステイホームという新しい生活様式のため、アルバイト求人がほとんどなく、自力で生活資金を得ることは難しくなりました。更に大学のキャンパス立ち入り禁止により、授業の多くがカメラ越しのオンライン授業になったほか、図書館も閉まってしまったので、研究用の資料の入手も難しい状態になりました。
一見行き詰っているように見えますが、このような状況の中でも、何かしら方法を見つけられるのが人間のすごいところ。また、政府や学校、学生支援機構などでも、様々な経済的支援策が用意されていました。今ではもう緊急自体宣言は解除されましたが、当時の生活は私にとって特別な経験でした。以下では、私の経験に基づいた「ウィズコロナ」の大学院生活や留学生に役立つ情報を紹介します。
ウィズコロナの大学院生活
今年は大学のキャンパスが閉鎖となり、登校して授業を受けることは事実上不可能となったので、我々新入生はオンラインという新たな授業方式で授業を受けることになりました。
キャンパスライブを満喫できないとは言え、オンライン授業にも様々な利点があります。ここでそのいくつかをご紹介しましょう。
まずは、授業しながらインターネットを使って、わからないものを検索することができます。対面授業と違って、画面共有でもしない限り自分のパソコン画面は、まず他の人には見られません。そのため、授業中にスマートフォンで検索しようとしても、遊んでいると思われる事もありません。授業を受けながら、サポートとして知らない単語や気になることをインターネットで検索することで、学習効率も向上します。
写真:beauty-boxさんによる写真AC
もう一つ、大学の閉鎖で困ったことは、大学院生の研究活動において最も大事な研究資料の入手です。読者の皆さんもご存知かと思いますが、レポート、書評や論文、あるいは毎日の研究において、大学図書館の蔵書は学生にとってとても重要なものです。しかし、学校の入構制限が始まって、図書館も入りづらくなりました。それこそ、申請書を書かないと入れないぐらいです。
このため、歴史研究に関わる重要文献を借りることもできなくなりましたが、幸い国立国会図書館ではデジタルコレクションがあり、多くの本がネット経由で読むことができるようになっていたのです。
しかも基本無料です。他にも、古本屋ではたまに、とても役に立つ本が100円、200円という驚くほど安い値段で販売されていることもあります。これらのルートを活用すれば、短い間はなんとかこの状況に耐えながら、研究を進めることができるでしょう。
留学資金を稼ぐ方法
アルバイトができない、ということは、留学生にとっては死活問題ですね。多額の貯金がある、あるいは家族に多額の仕送りを送ってもらうことができる場合でなければ、自力で留学資金を稼げなくなると、生活がかなり苦しくなり、本国にいる家族に負担を掛けることになってしまいます。
しかし、このような状況に対応すべく、日本政府や大学の他、学生支援機構にも、給付や貸与など様々な補助金が用意されました。私が通っている同志社大学では、留学生を対象とする奨学金・支援金など、方式を問わなければ、ざっと十種類もあります。
これらに加え、 5月から日本政府が支給を開始した特別定額給付金も、