京都の大学で芸術を学ぼう!
2017.03.13
芸大の授業って何を勉強するの?
Q: 今はどんなことを学ばれていますか?
A. 僕は3回生になって、イラスト学科のアート&デザインクラスを選んだので授業はイラ
ストよりアート的な表現やデザイン要素の方が大事になっています。イラストを描きたい人は、もちろんイラストを素材として描いてもいいです。
最近はアートブックのデザインをやっています。
自分のアートブックなので、中身は自由です。イラストや漫画が好きな人はそういった内容にしますし、本の製本も自由です。
印刷してもいいですし、自分で手作りの本を作ってもいいです。それも作品の目的に合わせて自由に変えていく感じですね。手作り感を見せてラフな感じで出す人もいます。
Q: アート&デザインクラスで学ばれているとのことですが、アートとデザインの違いを感じることはありますか。
A: アートはコンセプトが大事になってきます。ただキレイに描くだけではなく、コンセプトや作家の考え方、目的が大切ですね。
デザインの方は、クライアントのニーズに応える必要があると思います。
Q: ゴンさんご自身はアートかデザインで言えばどちらのタイプでしょうか?
A: そうですね(笑)アートの方が自由に作れる、という気持ちがあるのですが、やはり就職に関してはデザインの方が向いているな、と考えています。
アートは自分のための作品を作るイメージがありますね。
Q: 作品を作るときは、どんなツールやソフトを使われていますか?
A: 普段はアクリル絵の具で製作しています。特に3回生になってから、素材に関しては目的を大事にしていれば、自由に選ぶことができます。勿論、PhotoshopやIllustratorなどのソフトを使っても大丈夫です。
ただ、1年生の時に先生によく言われたのは、「パソコンだけに頼らないように」ということですね。ちゃんと手を動かした方が美術の感覚が吸収できるのではないかと思います。ずっとマウスやペンタブばかりではよくないのかなと。3年生になれば素材を選ぶのが自由になってくるので、みんなパソコンも使っていますが。
Q: 京都の大学で勉強して、よかったことはありますか。
A: 以前から、京都は文化的で歴史があるというイメージを持っていました。
日本に来るなら京都に来るのが一番日本の伝統文化などを吸収できるのではないかなと思っていましたね。
京都でイラストを学べる学校がたくさんあるのは調べるまで知りませんでしたが、京都大学などは有名で以前から知っていたので、「学生のまち」であるというイメージはありました。
僕が海外からの留学生として思うことは、東京に行くのであれば、ニューヨークなどに行った方がいいのではないかということです。日本に行くのなら日本らしいところを選ぶことに意味があるのではないかと思います。
そして、これは京都だけでなく日本で学ぶ意義になるのですが、英語圏のアートシーンや
デザインについてであれば、インターネットで情報を仕入れることもできます。ネット上の情報は英語が一番多いですからね。
でも日本の情報を知るには日本に来ないと難しいと思います。だからこそ現場で勉強するのが一番だと思っています。
それから、日本人のセンスは独特だな、と感じることも多いです。自分には本当に思いつかない意見がよく出てきますね。
僕が受けている授業では先生の意見を聞くだけではなく、クラス全員で意見交換をよくします。作品の発表を通して互いの意見を知る機会も多いですね。
そして、京都には豊かな自然がありますし、街のサイズもちょうどいいです。お気に入りの場所は鴨川ですね。写真が好きなので外に出ていろいろ撮影しています。フィルムカメラで撮影し、現像してからスキャンするということをしていますね。Instagramもやっています。
ゴンさんの作品
学校の外でも!そして将来は?
Q: 学校の外でアートのイベントなどに参加されたことはありますか?
A: ギャラリーや美術館にはよく足を運んでいますね。
イベントと言えるかわかりませんが、実は11月の下旬に、友達と二人で二人展を行いました。まだ学生なので家賃が安いギャラリーを探して。でもアクセスがいいところにしたくて、「スペース妙」を借りました。大学と近いし、地下鉄も叡山電車からも近いので。
やっぱり京都では市内中心部のギャラリーがいいんですけど、高いんです。(笑)
Q: 将来の夢は?
A: 将来、日本でクリエイティブの分野でキャリアを積みたいと考えています。例えば、グラフィックデザイナーとしてデザイン事務所で広告、ブランディング、印刷物などを制作する仕事です。
海外で働く立場としては、まずは企業に就職したいと考えています。留学生にはGoogleなど外資系の企業の日本法人も人気がありますね。
夢はアートディレクターになることや自分の会社を設立することです。日本に住み続けたいと思っているので、日本で会社を作ることは夢のひとつです。世界中を行き来して活動できたらいいな、と考えています。
また、ビジュアルアーティストとして作品も作りたいと思っています。
ゴンさんの作品
日本で芸術を学びたい方へのメッセージ
Q: 芸術大学で留学したいと考えている学生へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
A.まず、やりたいことをできるだけ早く決めた方がいいと思います。そして、入りたい大学について調べることが大事です。特に、デッサン試験の話のように、日本の美大と海外の美大の入試の違いを知らないと後の準備が大変になります。始めるのが遅いと間に合わない場合もあります。
そして、日本語もしっかり勉強したら大学生活がさらに楽しくなります。友達もたくさんできると思います。
大学生活の中で友達を作ることは大事ですね。シャイな人も積極的に声をかけることが大切です。僕も日本人学生、交換留学生など、いろんな出身国の学生と仲良くなることができました。アメリカ出身の子や、今はオランダの出身の子と仲がいいですね。
留学生の方は、日本が好きで日本に来る人が多いと思うんですが、日本のデザインのよさを学びつつ、海外のよさも捨てないことが大切だと考えています。デザインの世界ではそれぞれの国が影響を与え合っていくものだと思うので、日本にも海外にも広く興味を持って活動してほしいですね。
京都精華大学 国際教育部長 北脇先生より
留学生の方へのメッセージ
京都精華大学としては留学生の方に来ていただき、キャンパスを活気づけたいという気持ちがあります。様々なバックグラウンドを持つ方が一緒に勉強することで、日本人だけで勉強するよりもずっと魅力的な環境が出来上がると思います。
留学生の方にとっても、京都の大学で勉強することで日本の古くからの文化をしっかりと経験できると思います。私たちの大学を多文化が交わる場所にしたいですね。
京都精華大学では、海外在住の方向けに、京都の文化を伝える2週間の夏期短期プログラムも用意しています。
単に伝統文化だけではなく、京都は古くから前衛の文化が栄えた土地です。
京都には先鋭的なものをいち早く取り入れるという文化があり、今、伝統として残っているものもかつては非常にアバンギャルドな文化でした。
そういう特色を持った京都の街なので、このプログラムでは今のポップカルチャーと古くから伝わる工芸などを一緒に紹介する予定です。
長期の留学生の方にもそういった文化を知っていただきたいですね。今ご紹介したプログラムは短期で来られる方向けですが、将来は海外から来た人と日本で学ぶ人を巻き込んで何かしたいと考えています。
短期プログラムの申込期間は2017年3月1日から2017年4月30日です。実施期間は
2017年7月3日から7月14日です。ご応募お待ちしています。
京都精華大学 夏の短期留学