転職をしたことで、さらに自分の専門性にあった仕事を見つけることができた
京都先端科学大学
マイケル・スミス (来自 アメリカ)
出身学校:京都大学大学院 人間環境学研究科
※2021年采访
1. ご卒業された学校、学部をお教えください。
京都大学大学院人間環境学研究科の修士課程を卒業しました。
防災研究の社会学的な側面を研究していました。京都大学に入学する前は、2007、8年に約2年間、交換留学生として龍谷大学の別科プログラムで勉強していました。
その後はJETプログラムで2年間日本で働いていました。東日本大震災がきっかけとなり、防災についての研究をするため大学院へ進学しました。
2. 日本、京都への留学を決めたきっかけは何でしょうか。
きっかけは高校生の頃に滋賀県でホームステイをしたことです。
京都市に何回か行く機会があり、京都の大学に入りたいと思いました。
日本の現代文化には元々興味があったのですが、緑が多くて川がある京都市のゆったりしたところに惹かれました。
3. 学生時代に印象に残った思い出はありますか。
大学も大学院も、アルバイトをしながら自分の生活を支えていました。
勉強と仕事の両立は大変な面もありましたが、日本語力はもちろん、人間力も確実に身についたと思います。貴重な経験でした。
バイトは本当にいろいろな種類を経験しました。
カラオケのバーテンダー、新聞配達で朝の4:00から自転車で朝刊を配ったり、工場で溶接の仕事をしたりしました。
特に溶接の仕事では、最初はなかなか指示が理解できず、怖い部分もありましたが、必死になったおかげで様々なことが身に着きました。プレッシャーがかかる状況に自分を置くことは大切ですね。
4. 就職活動はどのようにされましたか。
正直なところ、卒業後の自分に合った就職先を見つけるのにとても苦労しました。ある会社でしばらく働いた後、国際関係の知識をもっと活用したいと思い、バイリンガル人材向けの就職サイトに登録しました。
新卒時と転職時では就職活動にも違いがありました。
新卒時の面接でも大学の勉強は評価されましたが、一般的な仕事をしていました。
転職をしたことで、さらに自分の専門性にあった仕事を見つけることができたと思います。
新卒の時も転職の時も、ゼミや説明会よりはオンラインをよく利用していました。
ゼロから自分でプロフィールを作って、エージェントに声掛けして、プロフィールの内容で自分を売り込んでもらえるように準備しました。
現在の勤務先である京都先端科学大学では古いスタイルは見かけないですね。実力主義で働きやすいです。効率的に仕事ができる人を評価するという体制が整っています。
日本での就職は、新卒だけでなく、転職も視野に入れることをおすすめします。
5. 現在の職場を知ったきっかけ、就職しようと思った理由をお教えください。
就職サイトに登録した後、エージェントから京都先端科学大学の求人情報を教えてもらいました。日本の大学のあり方を変革するという(京都先端科学大学理事長)永守さんの「夢」を知り、感銘を受けました。
これから努力して既存の大学に差をつけていきたいですね。
すでに本格的に海外から職員や教員を招き始めており、環境づくりをしています。
6. 現在の業務内容、やりがいをお教えください。
現在は京都先端科学大学の国際オフィスで、新入生獲得、学生サポート、翻訳支援などの担当として活躍しています。京都先端科学大学に入ってからは大手企業のCEOや元首相の通訳をさせていただく機会もありました。
学生時代に受けたいと思っていたようなサポートを今、京都先端科学大学の海外から来られる学生に提供できる立場だからこそ、自分の仕事に大きな誇りを持っています。
まだ始まったばかりですが、今後5年間で工学部の半分の学生を海外出身に、また工学部の半分を女性にといった具体的な目標も掲げています。
京都先端科学大学では英語での教育にも力を入れています。新しくできた工学部の中では授業は全て英語で行いますし、教員も英語は必須で、半分は外国人です。日本人と外国人が一緒に英語で勉強できるクラスとなっています。
京都学園大学時代の既存の学部は現在、日本語で授業を提供していますが、今後英語のプログラムも作る予定があります。
英語で学位が取れる大学は、まだ日本では片手で数えるくらいなので先駆者として頑張りたいです。
7. コロナウィルスの影響もあると思いますが、オンライン授業は順調ですか?
かなりオンラインでの授業に適応できていると思います。新しい大学だからこそ柔軟性があり、新しい技術を導入することに積極的です。
オンラインと対面をミックスしたハイブリッド型の授業もあります。
例えばデザインの授業ですが、学生が各家庭でデザインし、キャンパスにデータを送り、
キャンパスの3Dプリンタで成形することも行っています。実物を先生が確認できますし、学生作品同士でデザインのコンペもできます。
8. 京都先端科学大学への留学を検討している学生の皆様にPRやメッセージをお願いいたします。
自身の経験から言えることは、「名門大学」に行くことが必ずしも就職の成功につながるわけではないということです。
大学において大切なのは、周りの先生やスタッフがどれだけサポートして成功へ導いてくれるかということだと思います。
京都先端科学大学では、すべての学生が卒業後に良い仕事に就けるように努力しています。これには、詳細なキャリアカウンセリングやインターンシップの提供から、第二言語力、人間力、そして即戦力になれる技術を持っていることの確認まで、すべてが含まれます。
学生の進路として想定しているのは、日本での就職だけではありません。
永森氏を通じて日本電産との関係が強く、会社を通じて世界中から情報収集ができますし、
学生の間にインターン先を紹介できることも強みです。
9. 日本で就職活動をされる留学生の皆様にアドバイスをお願いいたします。
就職活動は仕事探しが目的ですが、日本社会の勉強と思えば自分のさらなる成長につながると思います。就職活動では多く企業の話を聞けますので、自分の視野を広くするいい機会です。
最後に、たくさんの中・長期インターンシップへの参加を強くお勧めします。
日本では1日や1週間のインターンシップが多いですが、海外では長い場合は1年間など長期のインターンシップが一般的です。長期インターンであれば仕事の本質が理解できると思います。キャリアセンターなどで積極的に探してください。日本国内になければ海外でのインターンもぜひ視野に入れてみてください!