日本の大学院入試準備ガイド:AAO選抜から面接対策まで
2025.01.15
みなさん、こんにちは。私はサキと申します。高校卒業後に日本に留学し、日本で学士号と修士号を取得しました。現在は京都大学で経済学を専攻しています。また、個別指導塾などでアルバイトをしながら、大学院受験対策を教えています。
今回は、日本の大学院、特に京都大学の入学選抜についてお話しし、その他の日本の大学院に向けた準備方法も共有したいと思います。AAO選抜を除くその他の内容は、日本の大学院への出願を希望する全ての方に役立つ情報です。以下では、研究計画書の準備、筆記試験対策、面接対策、そしてその他の重要な準備事項について詳しく解説していきます。それでは、順番に見ていきましょう!
1. AAO選抜
AAO(Admissions Assistance Office)選抜は、京都大学が外国の大学を卒業または卒業予定の学生を対象に実施する特別な選抜手続きです。この手続きは、出願資格の確認を目的としており、京都大学に出願における最初のステップとなります。AAO選抜では、希望指導教員とつながる為の支援するほか、あなたの学歴が大学院の入学要件を満たしているかが確認されます。申請は早めに行うことが推奨されており、京都大学の公式サイトによると、申請は出願期限の2〜3ヶ月前に提出することが望ましいとされています。
AAO申請の流れ
- 希望する研究科のWebサイトで確認
まずは、希望する研究科の公式ウェブサイトでAAO申請が必要かどうかを確認します。出願手続きや出願期限も同時に確認できます。 - AAO申請の実施
AAO申請が必要な場合は、指定された「AAO手続きについて」のガイドラインに従い、申請を行います。申請には時間がかかることがあるため、遅くとも出願期限の2〜3ヶ月前には申請を完了させることをお勧めします。 - 研究科への出願手続き
AAO申請を完了した後でも、正式な出願手続きが別途必要となります。研究科の出願手続きはAAOとは別のプロセスであることを忘れないようにしましょう。
提出書類
- Statement of Purpose(志望理由書)
申請者は、指定されたフォーマットで志望理由書を提出する必要があります。特に医学研究科を希望する場合は、専用のフォーマットを使用します。 - 証明書類
提出した証明書類については、発行元に照会する場合があるので、あらかじめその旨を理解しておきましょう。 - 日本政府奨学金留学生
日本政府(文部科学省)奨学金を希望する場合、第一次選考を通過後に「大学受入内諾書」の発行を希望する方は、必要な手続きを進めるページを確認してください。
京都大学のAAO申請は、外国の大学からの入学希望者にとって非常に重要な手続きの一環です。出願をスムーズに進めるために、事前に準備をしっかり行いましょう。
2. 研究計画書
研究計画書は、日本の大学院入試で最も重要な書類の一つです。あなたが進みたい研究領域を正確に伝えると同時に、その計画が学術的に妥当であることを証明しなければなりません。研究計画書の内容は以下の項目を含んでいます:
- 研究課題:あなたが研究したいテーマを明確に述べます。
- 研究背景:なぜそのテーマを選んだのか、どのような学術的背景があるのかを説明します。
- 文献レビュー:過去の研究を整理し、どのような成果が出ているか、または不足している点を述べます。
- 研究のGap:既存の研究では解決されていない問題や課題を指摘し、あなたの研究がそれをどのように補完するかを説明します。
- 研究方法:定性研究か定量研究か、どのようにデータを集め、実験をデザインするかを詳述します。
- 期待される結果:あなたの研究が解決したい問題と期待する結果を簡潔に述べます。
- 参考文献:関連する研究文献をリスト化し、あなたがその分野をどれだけ深く理解しているかを示します。
これらの部分をしっかりと練り上げ、研究計画書が論理的に整っていることを確認しましょう。研究計画書はあなたが大学院で受け入れられるかどうかの重要な決定要素です。
3. 筆記試験準備
多くの日本の大学院では、筆記試験が選抜プロセスに含まれています。学校によって試験内容が異なりますが、一般的に以下のような形式があります:
- 小論文の作成
与えられたテーマに基づいて短いエッセイを書くことが求められる場合があります。 - 専門用語の説明
あなたの専門分野に関連する用語の定義や解説を求められることがあります。 - 計算問題(経済学など)
数学的な計算が必要な学科では、計算問題が出題されることもあります。 - 翻訳問題
英日または日英の翻訳問題が出題されることがあります。
事前に過去問を確認し、各学校の試験形式を把握しておくことをお勧めします。日本にいない場合でも、日本の友人に過去問を手に入れてもらい、練習問題を解くことで試験の形式に慣れ、解答スピードを上げましょう。
4. 面接準備
面接は、入試の中で非常に重要な部分です。面接では、あなたがどのように自分の研究計画を説明できるか、またあなた自身がどのような人物であるかが問われます。面接でよく聞かれる質問は以下の通りです。
- なぜ日本に留学したいのですか?
- なぜこの学校を選んだのですか?
- どのような研究をしたいと考えていますか?
- あなたの卒業論文について教えてください。
- 将来のキャリアについてどう考えていますか?
これらの質問には深く考え、準備をしておくことが重要です。特に研究計画書の内容に関連した質問が多いため、計画書に基づいて答えられるようにしましょう。
5. その他の準備
AAO申請、研究計画書、筆記試験、面接の準備に加えて、以下の準備も必要です。
- 英語成績:IELTS、TOEFL、TOEICなど、学校によっては一定の英語能力を証明する必要があります。
- 日本語能力試験:JLPT N1またはN2の成績を求められることがあります。特に日本語で授業が行われる場合は、日常会話に加えて専門的な日本語力が求められます。
- 成績証明書:これまでの学業成績を証明する書類が必要です。
- 推薦状:通常、教授や指導教員からの推薦状が求められます。
これらの書類も事前に準備して、提出期限に間に合わせるようにしましょう。